正常皮膚角化細胞

1.ご案内
真皮線維芽細胞 皮膚角化細胞は、分化して表皮の角化を形成するとともに、皮膚の水分保持や、感染に対するバリア機能を 維持するために重要な役割を果たします。 また近年、皮膚の免疫応答や炎症反応にも関与することが明らかにされています。  本細胞は、皮膚組織より調製した正常表皮角化細胞であり、凍結状態で分譲しています。 細胞の性状として特異的なケラチンの発現、カルシウムによる分化、ヒアルロン酸の産生等を確認しており、皮膚機能の研究、発生、分化に関する研究、免疫分野の研究、細胞毒性研究、化粧品開発研究等に有用な研究資源です(図2、図3、図4参照)。

2.分譲可能な角化細胞(凍結)
資源番号 提供者 細胞数/本 解凍直後の生存率(*1) 本数
HT82507322-K 女性(幼児) 5.1 x 105 >90% 9本
HT8348-K 男性(幼児) 4.1 x 105 >85% 5本
HT1700-K 男性(幼児) 9.1 x 105 77% 18本
HT1700-K2 男性(幼児) 7.0 x 105 90% 8本

(*1)バイアルを微温湯で解凍した直後にトリパンブルー染色し、計数した細胞数から求めた数値です。 解凍翌日の生存率・接着率はこの数値より低下いたします。
現在のロットの推奨培地はKGM-Gold (Lonza)です。

3.由来組織
  • 日本人
  • 多指症の形成外科手術で摘出された余剰皮膚組織
  • HCV、梅毒の検査結果は陰性
  • 遺伝子解析研究への利用は不可
4.細胞の調製
皮膚組織

細胞分離処理(dispase II処理、表皮・真皮分離)

表皮

細胞分散(0.25% トリプシン / 0.02% EDTA 処理)

フラスコへの細胞播種、サブコンフルエントまで培養

0.25% トリプシン / 0.02% EDTAで継代(処理後はトリプシンインヒビターでトリプシン活性を完全に止める)、培養

セルバンカー 2に懸濁

プログラミングフリーザーにて緩慢凍結

液体窒素タンクに保管

5.細胞の性状検査
  • 使用機材
    • 培養培地:KGM-Gold BulletKit(Lonza, Code No.: 00192060)
    • 培養器質:付着細胞培養グレードのディッシュ、フラスコ、マルチウェル。 またはtype I collagenコートチャンバースライド(IWAKI Code No.: 4722-010; 免疫染色時)、 SUMIRON マルチディッシュ48 well(Code No.: MS-80480, ELISA時)
    • 抗cytokeratin 5ウサギ・ポリクローナル抗体(Santa Cruz 品番SC-66856,H-40; 1/200希釈)
    • 抗cytokeratin 10マウス・モノクローナル抗体(Thermo Fisher 品番LVC MS-611-P, clone DE-K10 Ab-2; 1/200希釈)
    • ELISAキット:Hyaluronic Acid ELISA Assay (Biotech Trading Partners, Cat No. BTP-96200)
  • 解凍直後の全細胞数、生細胞数: トリパンブルー色素排除法
  • 解凍後の増殖確認(図1)
  • 細胞マーカーの発現確認(図2)
  • カルシウム添加による分化の確認(図3)
  • グルコサミン添加によるヒアルロン酸産生促進効果の確認(図4)
  • 微生物汚染検査(細菌・真菌・マイコプラズマ): 陰性を確認
【図1】解凍後の細胞増殖
培養1日後
培養2日後

【図2】keratin 5(基底細胞マーカー)の細胞免疫染色

【図3】カルシウム添加による分化確認例(ケラチン10染色)

【図4】グルコサミン添加によるヒアルロン酸産生促進効果の確認例

(*)産生量はロットにより差がございます。