ご利用の手引き



1. 分譲受付から試料分譲までの流れ

1)ヒト組織バンクがホームページで提供可能な組織の名称などを公開し(ヒト組織バンク・資源リスト)、利用者を募集します。
2)医薬基盤・健康・栄養研究所の理事長は研究機関からの分譲申請書を当研究所の倫理審査委員会に諮問し、分譲の可否を決めます。
3)同一試料(資源番号)に複数の申請があった場合は先着順とします。その場合、次順位の申請者はその申請条件に合致した次の試料に対する第1順位申請者とします。第3順位以下についても同様に取扱います。

書類送付先:
〒567-0085大阪府茨木市彩都あさぎ7-6-8
国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 創薬資源研究プロジェクト内 ヒト組織バンク
FAX:072-641-9859
E-mail:jcrb-rb[a]nibiohn.go.jp ※[a]を@に置き換えてください

2. 分譲依頼方法

1)申請方法
申請は電子メール添付、FAXあるいは郵送で受け付けます。また、下記提出書類をヒト組織バンク宛に提出してください。弊所倫理審査の際に、申請者様の倫理講習履歴が求められますので、直近の講習年月日、タイトル名をご教示ください。

2)提出書類
分譲申請書(様式1-1, 1-2, 1-3, 1-4)及び研究機関の倫理審査委員会の承認書(写)。
様式は、ホームページからダウンロードしたものをご利用ください。きれいに印刷されない場合、ヒト組織バンクに申し込んでいただければ、送付いたします。

3. 輸送方法

1)発送する日が決まりましたらご連絡します。
2)輸送はドライアイス入り容器を使用し、宅配便を利用してお届けします。

4. 冷蔵組織の分譲方法

冷蔵(新鮮、非凍結)組織の場合、手術等で摘出された組織は保存液に浸漬され、冷蔵状態で24時間以内に研究機関へ分譲されます。
上記の方法にて分譲依頼されますと、当研究所の倫理審査委員会にて、事前の審査が行われます。分譲案件が承認されれば、提供医療機関からの提供事例を待ち、ヒト組織バンクでのマッチングに適合すれば供給が行われます。
詳細は、"冷蔵組織の供給について"をご覧ください。

5. 受領書

試料を受領されましたら様式5に必要事項を記入し、ヒト組織バンク宛に返送してください。

冷蔵組織の場合は受け取り時にバンク担当者に渡してください。

6. 分譲手数料(実費相当額)

ヒト組織バンクから分譲する試料は提供者の善意に基づいて無償で提供されたものです。しかし、研究機関に分譲するまでに、医療機関、ヒト組織バンクでそれぞれ経費が発生するため、その実費相当額を分譲手数料として利用者にご負担いただいております。 具体的な金額は「資源リスト」の項にある分譲手数料の表をご参照ください。ただし、凍結組織ブロックおよび冷蔵組織については分譲ごとに経費が異なるため、ヒト組織バンクまでお問い合わせください。

7.費用の支払い方法

請求書・見積書・納品書の3点を送付しますので、指定銀行口座にお振り込みください。なお、振込手数料はご負担ください。また、現金などでのご送金は受け付けられませんのでご注意ください。
特別の様式の請求書、納品書、領収書を必要とされる場合は、申込みの際に必ず当該書類を添えてお申込みください。

8. 送付試料の取扱い

1)保存
受領された試料は液体窒素タンク中に保存するか直ちに実験に使用してください。止むを得ずフリ-ザ-に保存する場合は-80℃以下で保存してください。容器の破損の恐れがあるので液体窒素の液相中には入れないでください。
2)安全管理
試料を取り扱う作業はバイオハザ-ドレベルのレベル2クラスに準ずる施設内で行ってください。
3)廃棄方法
研究の終了などにより試料を廃棄する場合にはオ-トクレ-ブ等で確実に滅菌した上、原則として焼却処分してください。

9. 品質管理

1)品質管理事項  品質管理試験の結果は、試料を分譲する際に記載します。
2)調べた品質項目以外については保証できません。

10. 試料に関する情報提供

提供可能な試料に関する情報は、医療機関から提供された診療情報や試料の処理方法等で、データシートに記載しています。対応表を残さない方法で匿名化されていますのでそれ以上の情報を提供することは出来ません。

11. 研究期間の延長および研究終了後の手続き

研究終了後は研究結果を、研究が1年以上継続する場合は試料の分譲日から1年を越える毎に研究経過を様式2-1に従い報告してください。
また、研究期間を延長する場合には様式2-2を用いて申請してください。研究実施予定期間は延長期間と一致するように記載してください。

12. 研究内容の変更の手続き

貴重な研究資源をできる限り有効に活用するためにも研究内容の変更を認めます。変更内容を様式2-3に記入の上、貴研究機関の倫理審査委員会の承認書(写)を添えて申請してください。なお、この場合、研究実施の前に当研究所の倫理審査委員会の審査が必要となります。

13. 論文発表についてのお願い

研究に使用された試料がヒト組織バンクから入手したものであることを論文、報告書など実験結果を発表する際に明記してください。また、それらの別刷りを1部ヒト組織バンク宛にお送りください。

14. ヒト組織バンクQ&A

Q: 組織はどこから提供されるのですか?
A: 国内の大学医学部、大規模病院等の複数の施設から提供されています。
 患者さんからは、ヒト組織バンクに提供された組織が研究機関に供給され、研究利用されることのインフォームド・コンセントが提携先の医療機関において得られています。

Q: 組織の倫理的取扱いはどうなっていますか?
A: 提供に関して、医療機関の倫理審査委員会にて審査、承認が得られています。また当研究所の倫理審査委員会では、組織の受け入れと分譲について試料毎に審査が行われます。利用される研究機関でも、倫理審査委員会で承認を得た上で分譲申請してください。

Q: 組織の申し込みから組織の受取りまでの期間はどのくらいですか?
A: 分譲には、随時開催している当研究所の倫理審査委員会の承認が必要です。お申し込みから承認までおおむね2週間程度を要します。凍結組織の場合、倫理審査委員会で承認後、翌週に発送できます。冷蔵組織の場合、事前審査で承認後、提供予定日の数日から1週間程度前に利用者に連絡し、手術日当日又は翌日にお届けします。

Q: 各組織についてどのような情報がついていますか?
A: 医療機関から提供された診療情報、組織の病理所見、組織の処理方法などをまとめたデータシート(記載例)があります。提供者のプライバシーを守るため、対応表を残さない方法で匿名化されています。

Q: 遺伝子解析は可能ですか?
A: 解析可能な試料と不可能な試料があります。資源リストをご覧ください。資源リストの「遺伝子解析」とは、「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針」の対象となる遺伝子解析研究のことです。

Q: 組織を取り扱う際、バイオハザード対策はどうすれば良いでしょうか?
A: ヒト組織バンクに受け入れる組織は、重篤な疾病の原因となる病原体の感染について陽性でないことが条件です。HBV、HCV、梅毒、HIVの検査結果については、ホームページ上のリストをご覧ください。組織はバイオハザードレベルのレベル2クラスに準じる施設内で、安全に留意して取り扱ってください。組織を廃棄する際はオートクレーブ等で滅菌した上、原則として焼却処分してください。

Q: 分譲手数料(実費相当額)とはどのようなものですか?
A: 組織を分譲する際、提携医療機関、ヒト組織バンクにおいて発生する、調製や運搬などの経費です。それらを分譲手数料としてご負担いただいております。

Q: 提出する研究計画書、研究終了報告書にはどの程度の内容を記載する必要がありますか?
A: 当研究所の研究倫理審査委員会での審査に必要ですので、研究の概要とその研究にヒト組織が必要であることが分かるように記載してください(培養細胞株や実験動物では解析できないことなど)。研究終了報告書では、分譲されたヒト組織が、申請時の研究目的のみに利用され、目的外の使用がなかったことを明記してください。機密にかかわる事項は記載不要です。なお、倫理審査委員会の委員には守秘義務が課されており、書類については議事終了後回収され、外部への漏洩はありません。

Q: 研究利用したい組織がヒト組織バンクの保管リストに無い場合は、どうすれば良いですか?
A: 現在、ヒト組織バンクで取り扱っている組織は主として手術で摘出された病変部位やその周辺の正常組織です。ご要望がありましたら、組織の種類、必要量などを、遠慮なくヒト組織バンクにお問い合わせください。医療機関へ問い合わせて、可能であれば、提供できるよう努力します。

Q: 分譲依頼の際、提出書類も多く記載方法も分かりにくい。先ず何をどうすれば良いですか?
A: 電話、メールをください。担当者が詳しくご説明します。

連絡先: 〒567-0085大阪府茨木市彩都あさぎ7-6-8
国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 創薬資源研究プロジェクト内 ヒト組織バンク
TEL:072-480-1670      FAX:072-641-9859
E-mail:jcrb-rb[a]nibiohn.go.jp ※[a]を@に置き換えてください